大規模修繕の進め方|後悔しないために最初に整理すべき判断軸とは
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- 2025年12月18日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月19日
大規模修繕の進め方|後悔しないために最初に整理すべき判断軸とは
大規模修繕を検討し始めた管理組合様から、「まず何から始めればよいのか分からない」「業者選定や見積比較を急いでよいのか迷っている」というご相談を多くいただきます。
大規模修繕は、一度進め方を誤ると、その後の判断すべてが難しくなってしまう工事です。
本記事では、大規模修繕で後悔しないために、最初に整理すべき進め方と判断軸について解説します。

大規模修繕の進め方における判断軸の違いを示したイメージ図
大規模修繕の進め方で失敗が起こりやすい理由
大規模修繕では、「とりあえず見積を取って比較する」という進め方が選ばれがちです。
見積金額は分かりやすく、比較もしやすいため、判断材料として使いやすいのは事実です。
しかし、
修繕内容が十分に整理されていない
数量や優先順位が曖昧
なぜその工事が必要なのか説明できない
こうした状態で見積比較に進んでしまうと、判断はどうしても金額だけに引きずられてしまいます。
その結果、後から「本当にこの工事内容で良かったのか分からない」「なぜこの金額なのか説明できない」という状況が生まれやすくなります。
大規模修繕は「業者選定」から始めるものではない
大規模修繕というと、まず施工会社を選ぶことが重要だと考えられがちです。
しかし、工事会社を選ぶ前に、そもそも何を、どこまで、どの優先順位で直すのかが整理されていなければ、適切な判断はできません。
修繕内容が未整理なまま進めてしまうと、
見積内容の妥当性が判断できない
比較しているつもりでも条件が揃っていない
管理組合内で説明がつかなくなる
といった問題が起こりやすくなります。
大規模修繕は、「業者を選ぶ工事」ではなく、**「内容を整理して判断する工事」**です。
大規模修繕で最初に整理すべき3つのポイント
1.建物の現状を正しく把握する
まず必要なのは、建物の劣化状況や不具合を正確に把握することです。
どこがどの程度劣化しているのか
数量はどれくらいあるのか
今すぐ必要な工事と、将来でもよい工事は何か
この整理ができていないと、工事内容そのものがブレてしまいます。
2.修繕内容の「目的」を共有する
次に重要なのが、なぜこの修繕を行うのかという目的の共有です。
安全性の確保なのか
将来コストの抑制なのか
資産価値の維持なのか
目的が整理されていないと、工事内容や金額についての議論が噛み合わなくなります。
3.判断軸を「金額」以外にも持つ
大規模修繕では、金額だけで判断しようとすると限界があります。
重要なのは、
工事内容の妥当性
数量や範囲の根拠
なぜこの金額になるのか説明できるか
説明できること=納得して判断できることです。
設計・監理方式による大規模修繕の進め方
設計・監理方式では、工事会社を選ぶ前に、修繕内容や数量、優先順位を中立的な立場で整理します。
その結果、
見積条件が揃う
比較の意味が明確になる
工事費の妥当性を説明できる
という状態をつくることができます。
一時的に見ると、設計にかかる費用が高く感じられることもあります。
しかし、不要な工事項目を省き、過剰な数量を抑えることで、結果として修繕積立金を守ることにつながるケースも少なくありません。
大規模修繕で後悔しないための判断基準とは
大規模修繕で本当に大切なのは、「いくら安いか」ではありません。
なぜこの工事内容なのか
なぜこの金額になるのか
管理組合として説明できるか
この判断軸を持てるかどうかが、後悔しない大規模修繕につながります。
大規模修繕の進め方で最も重要なのは、設計費や工事費の安さではなく、修繕全体の構造をどう整理するかです。
私たちは、「設計費」ではなく、大規模修繕全体の納得度と説明責任を重視しています。
この考え方については、JARDA(日本改修設計建築士連合会)公式ブログで、事例を交えながら詳しく解説しています。




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