大規模修繕で起きる「なりすまし」とは何か
- K K
- 2025年12月19日
- 読了時間: 3分
大規模修繕で起きる「なりすまし」とは何か
― 管理組合が知らないと危険なケースと見抜き方 ―
大規模修繕を検討している管理組合から、最近増えている相談のひとつが 「なりすましではないか?」 という違和感です。
「この人、本当に中立なのだろうか」
「管理組合の味方と言いながら、話が業者寄りでは?」
「肩書きは立派だが、立場がよく分からない」
本記事では、大規模修繕における「なりすまし」とは何かなぜ問題になりやすいのか管理組合が見抜くための判断軸を整理します。

大規模修繕における「なりすまし」とは
ここでいう「なりすまし」とは、表向きの立場と、実際の立場・利害が一致していない状態を指します。
犯罪的な意味だけではなく、次のようなケースも含みます。
中立を名乗りながら、特定業者と継続的な取引関係がある
コンサル・専門家を名乗っているが、収益源が紹介手数料
管理組合側の助言を装いながら、実質は営業代行に近い役割
形式上は問題が見えにくいため、管理組合が気づきにくいのが特徴です。
なぜ「なりすまし」は起こりやすいのか
① 専門性が分かりにくい分野だから
大規模修繕は、
建築
設備
法律
会計
合意形成
が複雑に絡む分野です。
そのため「何をしている人なのか」「どこまでが専門なのか」を判断しづらく、肩書きだけで信頼してしまいやすい構造があります。
② 立場の説明が曖昧でも成立してしまう
「管理組合をサポートします」「最適な業者を紹介します」「コンサルティングです」
これらの言葉は非常に幅が広く、具体的な立場や責任範囲を説明しなくても成立してしまいます。
結果として、
誰のために判断しているのか
判断基準はどこにあるのか
収益構造はどうなっているのか
が見えにくくなります。
管理組合が注意すべき典型的なサイン
次のような兆候が重なる場合は、立場を一度整理する必要があります。
「早く決めた方がいい」という発言が多い
業者選定が前提で話が進む
工事内容の妥当性より、見積金額の話が中心
判断材料ではなく「結論」を示される
質問すると説明が抽象的になる
重要なのは、その人が何者かではなく、何を基準に判断しているかです。
なりすましを見抜くための判断軸
管理組合が確認すべきポイントは、非常にシンプルです。
✔ 立場の確認
発注者側の判断を支援する立場か
業者選定・契約に利害が発生する立場か
✔ 役割の確認
判断材料を整理する役割か
判断結果へ誘導する役割か
✔ 収益構造の確認
業務報酬はどこから発生するのか
工事金額や契約と連動していないか
これらを言語化して説明できない場合、注意が必要です。
「なりすまし」を防ぐために本当に大切なこと
大切なのは、誰を信用するかではありません。
管理組合が「判断できる状態」にあるかどうかです。
なぜその工事内容なのか
なぜその数量なのか
なぜ今やるのか、見送るのか
なぜその金額なのか
これらを自分たちの言葉で説明できる状態であれば、特定の立場に誘導されることはありません。
まとめ
大規模修繕における「なりすまし」とは、肩書きや表現の問題ではなく、立場と判断基準が見えない状態そのものです。
管理組合にとって重要なのは、
中立を名乗る人を探すことではなく
判断の主導権を自分たちが持つこと
JARDAでは、管理組合が「判断できる状態」になるための考え方を、テーマ別に整理して発信しています。
迷いを感じたときは、「誰が正しいか」ではなく**「何を基準に判断しているか」**に立ち返ってみてください。




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