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大規模修繕で「第三者性」はなぜ重要なのか

  • 執筆者の写真: K K
    K K
  • 2025年12月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月19日

大規模修繕で「第三者性」はなぜ重要なのか


― 中立とは何を指し、何を指さないのか ―

大規模修繕を検討する中で、「第三者」「中立」「客観的」という言葉を耳にする機会は少なくありません。

しかし一方で、

  • 「第三者って、結局どういう立場なのか分からない」

  • 「中立と言いながら、何が違うのか判断できない」

  • 「本当に信用してよいのか不安」

と感じている管理組合も多いのが実情です。

本記事では、大規模修繕において第三者性がなぜ重要なのか、そして中立とは何を指し、何を指さないのかを整理します。


大規模修繕で「第三者性」はなぜ重要なのか

「第三者性」が求められる背景

大規模修繕は、

  • 工事項目が多い

  • 金額が大きい

  • 専門性が高い

という特徴を持つため、管理組合だけで判断することが難しい工事です。

その結果、どうしても専門家の意見に頼る場面が増えます。

このとき重要になるのが、その専門家がどの立場から話しているのかという点です。


第三者性とは「利害から距離があること」

大規模修繕における第三者性とは、単に「外部の人」という意味ではありません。

本質は、

特定の工事会社や結論に利害関係を持たない立場であること

です。

  • 工事を受注する立場ではない

  • 紹介手数料などの収益構造がない

  • 特定の選択肢に誘導する理由がない

このような立場であるからこそ、修繕内容や判断軸を冷静に整理することが可能になります。


「中立」と名乗っていても第三者とは限らない

注意が必要なのは、「中立」「第三者」という言葉だけで判断してしまうことです。

たとえば、

  • 工事会社の紹介を前提としている

  • 成約によって報酬が変動する

  • 特定の進め方を強く勧める

このような場合、形式上は第三者に見えても、実質的には利害が発生している可能性があります。

重要なのは、肩書きではなく 立場と仕組み です。


第三者性がないと起こりやすい問題

第三者性が十分でない場合、次のような状況が起こりやすくなります。

  • 修繕内容が必要以上に膨らむ

  • 見積比較が形式的になる

  • 「なぜその工事なのか」を説明しにくい

  • 判断の根拠が曖昧になる

結果として、管理組合は判断したつもりでも、実は判断させられていたという状態に陥りやすくなります。


第三者性のある立場が果たす役割

第三者性のある立場が果たす役割は、結論を出すことではありません。

本来の役割は、

  • 建物の状態を整理する

  • 修繕内容・数量・優先順位を明確にする

  • 複数の選択肢と考え方を示す

ことで、管理組合が判断できる状態を整えることにあります。

この役割が明確であれば、最終判断は管理組合が行い、納得感を持って進めることができます。


第三者性は「任せるため」ではなく「考えるため」

誤解されがちですが、第三者性は「すべて任せて楽をするため」のものではありません。

むしろ、

管理組合が主体的に考えるために必要な条件

です。

第三者性があることで、

  • 感情や先入観から距離を置ける

  • 金額以外の判断軸を持てる

  • 合意形成が進めやすくなる

といった効果が生まれます。


第三者性を見極めるための視点

管理組合が第三者性を見極める際には、次の点を確認すると参考になります。

  • 収益構造はどうなっているか

  • 特定の結論に誘導されていないか

  • 「なぜ?」に丁寧に答えてくれるか

  • 判断を急がせてこないか

これらは、第三者性があるかどうかを判断する重要なサインです。


大規模修繕における第三者性とは、「中立を名乗ること」ではなく、

利害から距離を置いた立場で、管理組合が判断できる状態を整えること

にあります。

第三者性が確保されていれば、管理組合は「誰かに決めてもらう」のではなく、「自分たちで納得して決める」ことが可能になります。


それが結果として、合意形成や将来計画、修繕積立金の健全性にもつながります。

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