管理組合が専門家に求めるべき役割とは
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- 2025年12月18日
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更新日:2025年12月19日
管理組合が専門家に求めるべき役割とは
― 大規模修繕を「任せる」前に整理しておきたい視点 ―
大規模修繕を検討する中で、管理組合は必ず「専門家」の力を借りることになります。
設計者、コンサルタント、施工会社、管理会社。立場や名称はさまざまですが、「専門家に何を求めるべきか」 が整理されていないまま進むと、判断はかえって難しくなります。
本記事では、管理組合が大規模修繕において専門家に本当に求めるべき役割を整理します。

専門家に「答え」を求めすぎていないか
合意形成が難しくなった場面で、よく聞かれる言葉があります。
「専門家がそう言っているから」
「プロに任せた方が安心」
「詳しい人に決めてもらえばいい」
確かに、専門家の知見は不可欠です。しかし、専門家の役割は管理組合の代わりに決断することではありません。
専門家が決めた結論は、管理組合にとって「説明できない判断」になりやすいという側面もあります。
専門家の本来の役割は「判断材料を整えること」
管理組合が専門家に求めるべき最も重要な役割は、
管理組合が判断できる状態をつくること
です。
具体的には、
建物の状態を分かりやすく整理する
修繕内容と目的を言語化する
選択肢とそれぞれの考え方を示す
といったことが挙げられます。
専門家は「正解を示す存在」ではなく、判断の土台を整える存在だと言えます。
「説明できるかどうか」が専門家選びの判断軸
良い専門家かどうかを見極める際、一つの重要な視点があります。
それは、
その説明を、管理組合自身が総会で説明できるか
という点です。
専門家の説明をそのまま引用しなければ説明できない場合、管理組合としての判断にはなっていません。
なぜこの修繕が必要なのか
なぜこの順番なのか
なぜこの金額になるのか
これを 自分たちの言葉で説明できるか が重要です。
管理組合と専門家の「役割分担」を整理する
大規模修繕では、役割分担が曖昧なまま進むと混乱が生じます。
基本的な整理は次の通りです。
管理組合の役割
方針を決める
優先順位を判断する
最終的な意思決定を行う
専門家の役割
判断材料を整理する
選択肢とリスクを示す
判断の根拠を明確にする
この役割分担が明確であれば、「任せきり」や「責任の押し付け合い」は起こりにくくなります。
専門家に求めるべきでないこと
一方で、専門家に求めすぎると問題が生じる役割もあります。
最終判断を丸投げすること
管理組合の代弁者になること
特定の結論に誘導すること
これらは、一見すると楽に見えますが、後から説明責任が管理組合に戻ってきます。
良い専門家と出会えている管理組合の特徴
専門家との関係がうまく機能している管理組合には、次のような特徴があります。
疑問を遠慮なく投げられる
「なぜ?」に丁寧に答えてもらえる
判断を急がされない
選択肢のメリット・デメリットが示される
専門家が判断を支える存在として機能している状態です。
管理組合が専門家に求めるべき役割は、「代わりに決めてもらうこと」ではありません。
管理組合が納得して判断できるよう、判断材料と考え方を整理してもらうこと
これが、大規模修繕における専門家との健全な関係です。
専門家の力を正しく使うことで、合意形成は進みやすくなり、修繕積立金や将来計画も守りやすくなります。




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