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理事会が「判断疲れ」に陥らないための工夫

  • 執筆者の写真: K K
    K K
  • 2025年12月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月19日

理事会が「判断疲れ」に陥らないための工夫


― 大規模修繕で決め続けられる組織になるために ―

大規模修繕を進める中で、理事会からよく聞かれる声があります。

  • 「決めることが多すぎて疲れてきた」

  • 「毎回、同じような議論をしている気がする」

  • 「正直、何が正解か分からなくなってきた」

これは、理事の意欲が低いからでも、責任感が足りないからでもありません。

判断し続ける構造そのものが、理事会を疲弊させているこれが実態です。


― 大規模修繕で決め続けられる組織になるために ―  大規模修繕を進める中で、 理事会からよく聞かれる声があります。  「決めることが多すぎて疲れてきた」  「毎回、同じような議論をしている気がする」  「正直、何が正解か分からなくなってきた」  これは、 理事の意欲が低いからでも、 責任感が足りないからでもありません。  判断し続ける構造そのものが、理事会を疲弊させている これが実態です。  「判断疲れ」は個人の問題ではない  判断疲れというと、 個人の資質や経験の問題だと捉えられがちです。  しかし大規模修繕における判断疲れは、 ほとんどの場合、  判断の前提や整理が不足したまま、 決断を迫られている状態  から生じます。  判断材料が十分に整理されていない状態で、 重要な決定を繰り返せば、 誰でも疲れてしまいます。  判断疲れが起こりやすい典型的な状況 ① 判断のたびに「前提確認」から始まる  そもそも何が問題だったのか  なぜこの工事が必要なのか  毎回ここから確認していると、 議論が前に進みません。  ② 選択肢が整理されないまま決断を求められる  「AかBか」だけ示され、背景が分からない  他の選択肢が検討されたか分からない  この状態では、 納得して決めることが難しくなります。  ③ 金額判断に議論が集中する  高い・安い  前回より増えた・減った  金額だけで判断しようとすると、 本来の論点が見えなくなり、 判断の負担が増します。  理事会が疲れないための3つの工夫 工夫①「判断すること」と「整理すること」を分ける  理事会が担うべきは、 最終的な意思決定です。  情報収集  技術的整理  比較検討  これらをすべて理事会で行おうとすると、 判断疲れは避けられません。  修繕委員会や専門家が 「整理」を担い、 理事会は「判断」に集中できる状態をつくることが重要です。  工夫② 判断軸を先に共有しておく  毎回ゼロから判断すると、 疲労は蓄積します。  何を優先するのか  どこまでやるのか  どの基準で判断するのか  こうした 判断軸 を先に共有しておくことで、 個々の決定が格段に楽になります。  工夫③ 判断理由を「残す」前提で決める  判断疲れを減らすためには、 「今決めること」だけでなく、  あとで振り返れるか  という視点が重要です。  なぜこの判断をしたのか  何と何を比較したのか  これが整理されていれば、 次の判断がスムーズになります。  判断疲れしない理事会の状態とは  判断疲れが少ない理事会では、  議論の前提が共有されている  決めるポイントが明確  専門家が整理役として機能している  結果として、  「決めるのが怖い」状態にならない  合意形成が進みやすい  理事の負担感が軽減される  という好循環が生まれます。  判断疲れを防ぐことは、判断を軽くすることではない  注意したいのは、 判断疲れを防ぐ=判断を簡単にする という意味ではないことです。  考えるべきことは考える  ただし、整理された状態で考える  この違いが、 理事会の持続性を大きく左右します。  まとめ  大規模修繕で理事会が判断疲れに陥るのは、 責任感が強いからこそ起こる現象です。  重要なのは、  理事会が判断しやすい構造をつくること  整理と判断を分ける  判断軸を共有する  判断理由を残す  この工夫によって、 理事会は「疲弊する組織」ではなく、 決め続けられる組織になります。

「判断疲れ」は個人の問題ではない

判断疲れというと、個人の資質や経験の問題だと捉えられがちです。

しかし大規模修繕における判断疲れは、ほとんどの場合、

判断の前提や整理が不足したまま、決断を迫られている状態

から生じます。

判断材料が十分に整理されていない状態で、重要な決定を繰り返せば、誰でも疲れてしまいます。


判断疲れが起こりやすい典型的な状況

① 判断のたびに「前提確認」から始まる

  • そもそも何が問題だったのか

  • なぜこの工事が必要なのか

毎回ここから確認していると、議論が前に進みません。

② 選択肢が整理されないまま決断を求められる

  • 「AかBか」だけ示され、背景が分からない

  • 他の選択肢が検討されたか分からない

この状態では、納得して決めることが難しくなります。

③ 金額判断に議論が集中する

  • 高い・安い

  • 前回より増えた・減った

金額だけで判断しようとすると、本来の論点が見えなくなり、判断の負担が増します。


理事会が疲れないための3つの工夫


工夫①「判断すること」と「整理すること」を分ける

理事会が担うべきは、最終的な意思決定です。

  • 情報収集

  • 技術的整理

  • 比較検討

これらをすべて理事会で行おうとすると、判断疲れは避けられません。

修繕委員会や専門家が「整理」を担い、理事会は「判断」に集中できる状態をつくることが重要です。


工夫② 判断軸を先に共有しておく

毎回ゼロから判断すると、疲労は蓄積します。

  • 何を優先するのか

  • どこまでやるのか

  • どの基準で判断するのか

こうした 判断軸 を先に共有しておくことで、個々の決定が格段に楽になります。


工夫③ 判断理由を「残す」前提で決める

判断疲れを減らすためには、「今決めること」だけでなく、

あとで振り返れるか

という視点が重要です。

  • なぜこの判断をしたのか

  • 何と何を比較したのか

これが整理されていれば、次の判断がスムーズになります。


判断疲れしない理事会の状態とは

判断疲れが少ない理事会では、

  • 議論の前提が共有されている

  • 決めるポイントが明確

  • 専門家が整理役として機能している

結果として、

  • 「決めるのが怖い」状態にならない

  • 合意形成が進みやすい

  • 理事の負担感が軽減される

という好循環が生まれます。


判断疲れを防ぐことは、判断を軽くすることではない

注意したいのは、判断疲れを防ぐ=判断を簡単にするという意味ではないことです。

  • 考えるべきことは考える

  • ただし、整理された状態で考える

この違いが、理事会の持続性を大きく左右します。



大規模修繕で理事会が判断疲れに陥るのは、責任感が強いからこそ起こる現象です。

重要なのは、

理事会が判断しやすい構造をつくること
  • 整理と判断を分ける

  • 判断軸を共有する

  • 判断理由を残す


この工夫によって、理事会は「疲弊する組織」ではなく、決め続けられる組織になります。

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